2008年12月30日 (火)
*不法原因給付と詐欺
本問の80万円の交付は、賄賂としてなされたものであるため、民法上不法原因給付(民法708条)とされる。そのため、丙は刑法上保護に値しないのではないかが問題となる。しかし、甲による詐欺をされたことで給付物である80万円は不法なものとなったのであり、詐欺がなければ、丙の下に適法な状態で存在していたのである。この80万円を丙は甲によって侵害されたのであるため、丙は刑法上保護に値する。
*恐喝
「恐喝」とは、財物または財産上の利益を交付させる手段として行われるものであって、犯行を抑圧するには足りないが、人を畏怖させるに足る程度の暴行・脅迫をいう
*抽象的事実の錯誤
Aには認識事実と客観的な実現事実に錯誤があり、この錯誤は異なった構成要件間のものであるため、いわゆる抽象的事実の錯誤である。故意責任の本質は、構成要件該当事実を認識したにもかかわらず(あえて)行為に出たことに対する責任非難である。そのため、抽象的事実の錯誤の場合でも、異なる構成要件間に(形式的に・実質的に見て)重なり合いが認められれば、その重なり合う範囲について故意責任を問うことができると解する。
*偽造罪
偽造罪の保護法益は、文書に対する公共の信用である。そして、「偽造」行為とは、文書上から読み取れる名義人とその作成者との同一性を偽ることを意味し、「偽造」により文書の関係者が作成者に対して当該文書に関する法的な責任追及をすることが困難となることによって、文書に対する公共の信用が害されることとなるのである。
*背任罪(247条)
背任罪の要件は、‖梢佑了務処理者が、⊆己もしくは第三者図利、または本人加害の目的(図利加害目的)をもって、Gぬ外稠惺坩戮鬚掘↓に椰佑紡山欧鰺燭┐襪海箸任△襦
・要件△砲弔い
図利加害目的と本人取り目的が併存するときは、どちらが主たる目的化で判断される。本問で、乙には、低迷しているY店の販売実績をあげるという本人取り目的と店長としての自らの地位を保とうという自己図利目的とが併存している。この点につき、Y店のためにパソコン1台の販売実績を上げなくてはならない必要性・緊急性が認められる事情がないことからすると、乙の主たる目的は自己図利目的にあったと判断される。
(平和相互事件参照 最決H10.11.25 消極的動機説)
H19−2
*公務と業務(限定積極説・修正積極説)
「公務」(95)とは国または地方公共団体の事務をいい、「業務」(233、234)とは職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う事務または事業をいう。そのため、原則として、「公務」は「業務」に含まれる。ただし、自力排除力のある公務は、95条にいう「暴行・脅迫」よりも程度の低い234条にいう「威力」に対して、保護する必要性がないため、例外として234条の「業務」に(は)含まれないと解する。
・公務に対する偽計業務妨害罪の成否について
「公務」(95)とは国または地方公共団体の事務をいい、「業務」(233、234)とは職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う事務または事業をいう。そのため、原則として、「公務」は「業務」に含まれる。たとえ自力排除力のある公務であっても、「偽計」に対しては無力であるため、233条にいう「業務」に「公務」は含まれる。
*窃盗の不法領得の意思(権利者排除意思、利用処分意思)
窃盗罪においては、不可罰である使用窃盗や毀棄罪(261条等)との区別のため、不法領得の意思を行為時に有することが必要であると解する。その内容は、仝⇒者を排除して自己の所有物として扱う意思と、∧の経済的用法に従って利用処分する意思である。
*窃盗罪における『占有』
窃盗罪のおける占有は、客観的に他人がその財物を事実上支配している状態または支配を推認せしめる客観的状況があって、かつ、主観的な占有の意思がある場合に認められるべきと解する。(ただし、占有の意思はあくまでも事実的支配を補充するにすぎない。)
*横領行為
横領行為とは不法領得の意思の発現たる一切の行為をいい、横領罪における不法両得の意思とは自己の占有する他人の物を委託の趣旨に反してその物の所有者でなければできないような処分をする意思をいう。
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本問の80万円の交付は、賄賂としてなされたものであるため、民法上不法原因給付(民法708条)とされる。そのため、丙は刑法上保護に値しないのではないかが問題となる。しかし、甲による詐欺をされたことで給付物である80万円は不法なものとなったのであり、詐欺がなければ、丙の下に適法な状態で存在していたのである。この80万円を丙は甲によって侵害されたのであるため、丙は刑法上保護に値する。
*恐喝
「恐喝」とは、財物または財産上の利益を交付させる手段として行われるものであって、犯行を抑圧するには足りないが、人を畏怖させるに足る程度の暴行・脅迫をいう
*抽象的事実の錯誤
Aには認識事実と客観的な実現事実に錯誤があり、この錯誤は異なった構成要件間のものであるため、いわゆる抽象的事実の錯誤である。故意責任の本質は、構成要件該当事実を認識したにもかかわらず(あえて)行為に出たことに対する責任非難である。そのため、抽象的事実の錯誤の場合でも、異なる構成要件間に(形式的に・実質的に見て)重なり合いが認められれば、その重なり合う範囲について故意責任を問うことができると解する。
*偽造罪
偽造罪の保護法益は、文書に対する公共の信用である。そして、「偽造」行為とは、文書上から読み取れる名義人とその作成者との同一性を偽ることを意味し、「偽造」により文書の関係者が作成者に対して当該文書に関する法的な責任追及をすることが困難となることによって、文書に対する公共の信用が害されることとなるのである。
*背任罪(247条)
背任罪の要件は、‖梢佑了務処理者が、⊆己もしくは第三者図利、または本人加害の目的(図利加害目的)をもって、Gぬ外稠惺坩戮鬚掘↓に椰佑紡山欧鰺燭┐襪海箸任△襦
・要件△砲弔い
図利加害目的と本人取り目的が併存するときは、どちらが主たる目的化で判断される。本問で、乙には、低迷しているY店の販売実績をあげるという本人取り目的と店長としての自らの地位を保とうという自己図利目的とが併存している。この点につき、Y店のためにパソコン1台の販売実績を上げなくてはならない必要性・緊急性が認められる事情がないことからすると、乙の主たる目的は自己図利目的にあったと判断される。
(平和相互事件参照 最決H10.11.25 消極的動機説)
H19−2
*公務と業務(限定積極説・修正積極説)
「公務」(95)とは国または地方公共団体の事務をいい、「業務」(233、234)とは職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う事務または事業をいう。そのため、原則として、「公務」は「業務」に含まれる。ただし、自力排除力のある公務は、95条にいう「暴行・脅迫」よりも程度の低い234条にいう「威力」に対して、保護する必要性がないため、例外として234条の「業務」に(は)含まれないと解する。
・公務に対する偽計業務妨害罪の成否について
「公務」(95)とは国または地方公共団体の事務をいい、「業務」(233、234)とは職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う事務または事業をいう。そのため、原則として、「公務」は「業務」に含まれる。たとえ自力排除力のある公務であっても、「偽計」に対しては無力であるため、233条にいう「業務」に「公務」は含まれる。
*窃盗の不法領得の意思(権利者排除意思、利用処分意思)
窃盗罪においては、不可罰である使用窃盗や毀棄罪(261条等)との区別のため、不法領得の意思を行為時に有することが必要であると解する。その内容は、仝⇒者を排除して自己の所有物として扱う意思と、∧の経済的用法に従って利用処分する意思である。
*窃盗罪における『占有』
窃盗罪のおける占有は、客観的に他人がその財物を事実上支配している状態または支配を推認せしめる客観的状況があって、かつ、主観的な占有の意思がある場合に認められるべきと解する。(ただし、占有の意思はあくまでも事実的支配を補充するにすぎない。)
*横領行為
横領行為とは不法領得の意思の発現たる一切の行為をいい、横領罪における不法両得の意思とは自己の占有する他人の物を委託の趣旨に反してその物の所有者でなければできないような処分をする意思をいう。
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