2008年12月30日 (火)
*新株発行無効の訴え(828条1項2号)の無効事由
新株発行無効の訴えの無効事由については法定されていない。しかし、既存株主の持ち株比率や財産権の保護と、新株発行の相手方や転得者についての取引の安全を考慮し、相手方や転得者の利益を害しても既存株主を保護すべきといえるような重大な瑕疵については、無効事由となると解する。
(金銭的請求で損害を賠償できることもあるので、無効事由は制限的に)
*新株発行無効の訴えについて、公開会社において株式発行事項の公示を欠くことが無効事由となるか
201条3項4項が公示を求めた趣旨は、株主に対し、新株発行差止めの訴えや仮処分の申立て(210条)を行使する機会を保障することにある。この機会が確保されなければ、自分の知らない間に持ち株比率の低下や株価の下落が生じてしまうため、株主の不利益は非常に大きいといえる。そのため、公示を欠くことは、新株発行差止請求(210条)をしたとしても差止事由がないために許容されないと認められる場合でない限り、重大な瑕疵といえ、無効事由にあたると解する。
*利益相反取引(356条1項2号3号)を禁止した趣旨
法が利益相反取引を禁止した趣旨は、取締役が自己の地位を利用し、会社の犠牲の下、自己又は第三者の利益のために取引をすることを予防することにある。
(そのため、利益相反取引に当たるか否かは、形式的のみならず実質的に当該取引をみて、取締役が会社の利益を犠牲にして自己又は第三者の利益をはかるものであるかによると解する。)
↓
本問では、Bは、A社においては職務代表権限を有する(349条4項)代表取締役であるが、C社においては職務執行を監督する権限を有する(381条1項)にすぎない監査役である。そのため、Bが自分が代表権を有する取締役を務めるA社の犠牲の下、Cの利益のために取引をするということは考え難い。
したがって、本件取引はA社とB社との「利益が相反する取引」ではない。
*多額の借在について取締役会決議が求められる趣旨(362条4項2号)→保証契約
362条4項2号が「多額の借財」について取締役会決議を求めた趣旨は、返済不能または返済困難となるなどして会社の経営状況が著しく悪化するというリスクを防ぐことにある。そのため、保証契約の締結も会社の経営状況が悪化するリスクが生じうるので、「借財」にあたると解する。また、「多額」といえるかは、資本金や現況の財務状況等に鑑みて判断すべきである。
*競業取引が禁じられる趣旨(356条1項1号)→「事業の部類に属する取引」
法が競業取引を禁じた趣旨は、取締役が自己の地位によって得たノウハウや情報を利用することで会社に損害を生じさせることを防ぐことにある。そのため、「事業の部類に属する取引」とは、会社の事業と競業し、会社の利益と衝突するおそれのある取引をいうと解する。
◆競業避止義務について
競業取引を行う企業の取締役・代表取締役に「就任」すること自体は、競業「取引」にはあたらない。
*利益相反取引(356条1項2号)
356条1項2号の要件は 崋萃役」が◆崋己又は第三者のために」「株式会社と取引」をすることである。
△痢崋己又は第三者」とは、自己又は第三者名義においてという意味であり、取締役自ら当事者として、又は、他人の代理人・代表者などとして行動したかが問題となる。
*423条の要件
’ぬ学菎奸↓過失(二元説)、B山押↓き´の因果関係
*退職慰労金(取締役)
退職慰労金は361条1項の「報酬等」に含まれると解する。なぜなら、退職慰労金とは在職中の「職務執行の対価」として支払われるものだからである。
↓
では、退職慰労金の支給について、取締役会に一任することは許されるか。
この点、361条の趣旨は、取締役会で「報酬等」が決定されることでお手盛りの弊害が生じることを防ぐということにある。そのため、退職慰労金の支給について取締役会に一任することは原則として許されない。ただし、退職慰労金の支給について基準があり、それを株主が把握できる状況にあり、取締役会がそれにしたがって決定することを委任するのであれば、そのような委任は許されると解する。
*退職慰労金(監査役)
387条の趣旨は、監査役の職務の独立性と適正な報酬を確保することにある。そのため、取締役会へ監査役の「報酬等」の支払いについて一任することは原則として許されない。ただし、支払の基準があり、それにより機械的に額が算出されるのであれば、細かい支払時期等事務的な処理を取締役会に一任することは許されると解する。
*報酬額の事後的減額
取締役は、株主総会で選出され(329条)、その選任された者が受諾すると、会社・取締役間で委任契約が締結されたことになる(330条、民法643条)。そのため、選任時に定めた月額報酬については当該委任契約の契約内容となり、会社側も拘束され、一方的に減額することは許されない。ただし、当該取締役がその減額を承諾したならば、その額が新たな契約内容となるため、事後的減額は許されると解する。
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新株発行無効の訴えの無効事由については法定されていない。しかし、既存株主の持ち株比率や財産権の保護と、新株発行の相手方や転得者についての取引の安全を考慮し、相手方や転得者の利益を害しても既存株主を保護すべきといえるような重大な瑕疵については、無効事由となると解する。
(金銭的請求で損害を賠償できることもあるので、無効事由は制限的に)
*新株発行無効の訴えについて、公開会社において株式発行事項の公示を欠くことが無効事由となるか
201条3項4項が公示を求めた趣旨は、株主に対し、新株発行差止めの訴えや仮処分の申立て(210条)を行使する機会を保障することにある。この機会が確保されなければ、自分の知らない間に持ち株比率の低下や株価の下落が生じてしまうため、株主の不利益は非常に大きいといえる。そのため、公示を欠くことは、新株発行差止請求(210条)をしたとしても差止事由がないために許容されないと認められる場合でない限り、重大な瑕疵といえ、無効事由にあたると解する。
*利益相反取引(356条1項2号3号)を禁止した趣旨
法が利益相反取引を禁止した趣旨は、取締役が自己の地位を利用し、会社の犠牲の下、自己又は第三者の利益のために取引をすることを予防することにある。
(そのため、利益相反取引に当たるか否かは、形式的のみならず実質的に当該取引をみて、取締役が会社の利益を犠牲にして自己又は第三者の利益をはかるものであるかによると解する。)
↓
本問では、Bは、A社においては職務代表権限を有する(349条4項)代表取締役であるが、C社においては職務執行を監督する権限を有する(381条1項)にすぎない監査役である。そのため、Bが自分が代表権を有する取締役を務めるA社の犠牲の下、Cの利益のために取引をするということは考え難い。
したがって、本件取引はA社とB社との「利益が相反する取引」ではない。
*多額の借在について取締役会決議が求められる趣旨(362条4項2号)→保証契約
362条4項2号が「多額の借財」について取締役会決議を求めた趣旨は、返済不能または返済困難となるなどして会社の経営状況が著しく悪化するというリスクを防ぐことにある。そのため、保証契約の締結も会社の経営状況が悪化するリスクが生じうるので、「借財」にあたると解する。また、「多額」といえるかは、資本金や現況の財務状況等に鑑みて判断すべきである。
*競業取引が禁じられる趣旨(356条1項1号)→「事業の部類に属する取引」
法が競業取引を禁じた趣旨は、取締役が自己の地位によって得たノウハウや情報を利用することで会社に損害を生じさせることを防ぐことにある。そのため、「事業の部類に属する取引」とは、会社の事業と競業し、会社の利益と衝突するおそれのある取引をいうと解する。
◆競業避止義務について
競業取引を行う企業の取締役・代表取締役に「就任」すること自体は、競業「取引」にはあたらない。
*利益相反取引(356条1項2号)
356条1項2号の要件は 崋萃役」が◆崋己又は第三者のために」「株式会社と取引」をすることである。
△痢崋己又は第三者」とは、自己又は第三者名義においてという意味であり、取締役自ら当事者として、又は、他人の代理人・代表者などとして行動したかが問題となる。
*423条の要件
’ぬ学菎奸↓過失(二元説)、B山押↓き´の因果関係
*退職慰労金(取締役)
退職慰労金は361条1項の「報酬等」に含まれると解する。なぜなら、退職慰労金とは在職中の「職務執行の対価」として支払われるものだからである。
↓
では、退職慰労金の支給について、取締役会に一任することは許されるか。
この点、361条の趣旨は、取締役会で「報酬等」が決定されることでお手盛りの弊害が生じることを防ぐということにある。そのため、退職慰労金の支給について取締役会に一任することは原則として許されない。ただし、退職慰労金の支給について基準があり、それを株主が把握できる状況にあり、取締役会がそれにしたがって決定することを委任するのであれば、そのような委任は許されると解する。
*退職慰労金(監査役)
387条の趣旨は、監査役の職務の独立性と適正な報酬を確保することにある。そのため、取締役会へ監査役の「報酬等」の支払いについて一任することは原則として許されない。ただし、支払の基準があり、それにより機械的に額が算出されるのであれば、細かい支払時期等事務的な処理を取締役会に一任することは許されると解する。
*報酬額の事後的減額
取締役は、株主総会で選出され(329条)、その選任された者が受諾すると、会社・取締役間で委任契約が締結されたことになる(330条、民法643条)。そのため、選任時に定めた月額報酬については当該委任契約の契約内容となり、会社側も拘束され、一方的に減額することは許されない。ただし、当該取締役がその減額を承諾したならば、その額が新たな契約内容となるため、事後的減額は許されると解する。
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