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「インドネシア:喝采を受けた反汚職運動の顛末」の講演を聴いて(2/2)
(ここからは私見)
 裁判所の全員無罪という判決は妥当なものと考えられます。理由は以下の通りです。
 
 今回の地方議員の給料についての争点は、①の法律と②の政令の齟齬にあります。法律と政令では、法律が優先されます。なぜなら、法律は国民から選ばれた国会議員が国会の決議で定められるものであるのに対し、政令は内閣限りで定められるものであるからです(これは日本でもそうですし、インドネシアでも同じだそうです。)。今回問題となったインドネシア地方議会議員の給料については、①の法律が、地方議会に、議会の歳費などの予算を決める権利を、何らの制限もなく与えているのに対し、②の政令が議会の歳費などの予算を決める権利を制限しています。この②の政令は、歳費などの決定について自由な権限を与えた①の法律に違反しています。法律に違反した政令は無効です。そのため、②の政令は無効とされなくてはならず、無効である②の政令に違反したことを理由に、地方議会議員を有罪とすることは許されません。仮に最高裁判所が「地方議会が自分たちに都合の良いように給料を上げ続けることは許されるべきではない」ということから有罪の判決を下してしまうと、この件だけならまだしも、他の件において、法律の定めには違反してなくても「許されるべきではない」として有罪判決を下される者が生まれかねないこととなり、それこそ法の支配が及ばずに恣意的な判断が下されるという恐れるべき事態が起こりえます。

 インドネシアの市民は、全員無罪という最高裁判所判決に失望したそうですが、最高裁判所が冷静に判断したことについては失望する必要はないと思います。
 とはいうものの、やはり、地方議会が自分たちの都合の良いように給料を上げることができることは問題です。私は、この問題に対しては、①の法律の定めを変えるように訴えたり、給料を上げ続ける地方議員を批判したり、そのような議員を選挙で選ばないなどの方法を取るべきではないかと考えます。もちろんこのような市民の訴えが実現するのは簡単ではありません。ですが、インドネシアの市民は②の政令が定められる状況を作り出したり、検察を動かすことができたのですから不可能なことではないのでしょう。インドネシアの市民は、市民運動が無力だと感じる必要はないと思います。おかしいと思うことに対しては声を上げ続けるべきだと思います。インドネシアの市民は、今回の一連の流れを教訓に、今後、より効果的に訴える方法を見つけ出すことができるのではないでしょうか。
テーマ:インドネシア
ジャンル:海外情報

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