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【読書日記】ビジネス弁護士ロースクール講義
ビジネス弁護士ロースクール講義
~法律が変わる、社会が変わる

         久保利英明+大宮法科大学院大学[編]

☆7つ
 色々な弁護士の働き方が知れてよかった。講義自体も良いのですが、大宮ローの学生さんの質問も良いものばかりでした。

 この本は、主に企業法務分野で活躍される弁護士(ビジネス弁護士)が、大宮ロースクールで行った講義をまとめたものです。
 私がこの本と出会ったきっかけは、昨日、とあるお世話になった教授の研究室に伺った時に、偶然目にしたことです。直ちに「これ下さい」と言って、この本を持って帰りました。ま、先生には「返してね」と言われてしまいましたが(笑)

 8人の方の講義が収録されています。
 そのうち1人は、ビジネス弁護士ではなく公的な活動を中心とする弁護士。その人は、北海道紋別ひまわり基金法律事務所で2年間、所長をされた松本三加弁護士です。縁もゆかりもない地方に東京の若手弁護士が行くということで、周囲の人からは“批判”めいたことも言われることがあったそうなのですが、全くの杞憂に終わったそうです。どこの世界にも新しい取り組みを始めようとすると、浅はかな考えで批判する人はいるもんなので仕方ないですね。ただ、その批判を完全に払拭するほどの松本弁護士の働きには頭が下がります。

 また、2人は外国人弁護士(中国、韓国)です。
 私は中国や韓国の法律事情に詳しくないため、とてもタメになりました。もちろんこれだけで全てが分かるとは全く思っていませんが、少しでもその様子が分かったことは無駄ではないはず。

 他の5人はビジネス弁護士。ビジネス弁護士と一口に言っても、経歴や、それぞれ仕事の取り組み方、専門分野が違うので、読んでいてあきません。

 弁護士の仕事を知るという意味で読む価値があると思います。
 ロースクール生にとってもモチベーションになるかもしれません。(たぶん「勉強しなきゃ!」っていう気になります)

グッと来た、もしくはハッとした文章をご紹介>
・会社法の世界で何がおもしろいかというと、事件が生きているころです。…普通の裁判ですと、過去に起きたことを立証してどうだったかということです。事実はすでに決まっているのです。ところが、会社法の世界はこれから何をするかで結論が変わる世界なのです。
>中村直人弁護士

・「裁判所で勝ちの判決をもらうと勝ちで、負けの判決をもらうと、直ちに経済的効果も含めて負けだと思いやすい。しかし、そんなナイーブな考えでは企業法務の弁護士としては大成しない。」
>久保利先生(大宮ロー教授)

・絶対に勝つと思っていた事件に負けてしまうのは、最低なんです。
>岡田和樹弁護士
 この方は労働者側の弁護士から渉外弁護士になったという変わった経歴をお持ちのお方
 
・結局のところ、法律によって公正に世の中が運営されるその一翼を担っているという面では、どの仕事をしていても同じです。
>岡田和樹弁護士
 労働弁護士と渉外弁護士の相違について聞かれた際の回答

・ひと言で言えば、地頭がよくて専門領域を持っている人間が有利な時代になるのは間違いない。法曹になる前に、どれだけ法律学と違うことをやっていたかということが一つある。それと、人と違った、際立った人を引きつけるカリスマ性があるとか、人を調和させていくコーディネートの才能があるかどうか。そういったさまざまな個性で、自然と差別化されていきます。自分の売り、ポジショニングが大切になります。
>山田秀雄弁護士

・リスクマネージメントの観点から考えなくてはならないということは、それは考え方の切り口の問題であって、基本的な視点はやはり被害者の人権を回復するということが一番の出発点です。その視点を忘れて、リスクマネージメントだけだとおかしい。
>山田秀雄弁護士
 セクハラ問題と企業法務の在り方について

・ただ怒っている弁護士とか、ただ攻撃している弁護士、ただ代弁している弁護士は、戦略を持たないから世の中を変えたり、依頼者を助けるのに、実はあまり役に立たない。特にいまのセクシャルハラスメントで山田さんがやったことで非常に大きいのは、企業が大変だと考えるようになったことです。
>久保利弁護士

・不正競争防止法、商標、著作権です。このへんは技術的バックグラウンドは全然関係ない。
>上山浩弁護士

・大企業の企業法務は専門分野が細分化されていて、案件ごとに弁護士を使い分けている。会社法と知財と両方知らないといけないという話はありません。逆に自分のコアをちゃんと決めて、そこで信頼してもらえるようにするということが重要だと思います。
>上山浩弁護士
 もちろん基礎的な知識は広く持っていた方が良いのだろうけど。

・本当に勉強している奴らは世界にたくさんいます。ものすごくやっています。だから、日米の政府間交渉で日本の財務省とか外務省のエリートが立ち向かっても、全然歯が立たないと、分かりました。彼らは、細かいところまで本当に勉強しています。
>岩倉正和弁護士
 アメリカのロースクール生について。官僚が歯が立たないかは知りませんが、「ペーパーチェイス」という私が好きな映画も引き合いに出して、アメリカのロースクール生が猛烈に勉強していることを紹介なさっています。

・本当に勉強します。自分たちは金融機関とか、証券会社とかインベストバンクの中にいるわけではないから、本当に実務が何をやっているかわからないかもしれないけれども、案件を通じてわかった情報を下の人たちに事務所のセミナーなどで伝えます。われわれの事務所の金融グループは昼とか夜に所内セミナーを開いて、勉強しています。外部の勉強会もあります。
>岩倉正和弁護士
 実務出てからの勉強は試験勉強とは違った意味で、猛烈にやらねばいけないんだろうな。でも楽しそう。

・日本の弁護士が韓国で働く際に重要なものは二つあると思います。まず、自分の母国、自分が弁護士になった国の法律に精通すべきです。韓国の企業でも日本の企業でも、ソウルでも東京でも、日本の弁護士に力を借りたいと思っているのは、日本の法律知識なんです。…もう一つは充分条件ですが、韓国語ができることです。
>李厚東弁護士(韓国人)
 これは韓国のことについて言っているけど、それ以外についてもまずはこれらが大事なんだろうな~。





テーマ:紹介したい本
ジャンル:本・雑誌

コメント
この記事へのコメント
おめでとうございます。
大変遅くなりまして恐縮ですが・・・
司法試験、合格おめでとうございます!!
私も頑張ろうと思います^^
2010/10/06(Wed) 20:02 | URL | すぬっぴ | 【編集
Re: おめでとうございます。
>すぬっぴさん
 コメントありがとうございます!
 いつでもこういうコメントを頂けるのは嬉しいことです^^
 すぬっぴさんも自分で決めた道を一歩一歩しっかりと進んで行って下さい☆
 応援しております!
2010/10/06(Wed) 23:39 | URL | ぽん | 【編集
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